猫のてんかんについて知りたいですか?答えは簡単、てんかんは猫が2回以上原因不明の発作を起こす神経疾患のことです。私も臨床現場で多くの症例を見てきましたが、飼い主さんにとっては本当に心配ですよね。特に初めて発作を見た時は、パニックになる方が多いです。でも大丈夫、適切な対処法さえ知っていれば、猫ちゃんも安心して暮らせます。この記事では、猫のてんかんの基本から最新治療まで、私の10年の臨床経験を元にわかりやすく解説します。あなたの愛猫がもし発作を起こしたら、まず落ち着いて動画を撮ってください。これが診断の大きな手がかりになります。そして、1回でも発作があれば必ず動物病院へ。早期発見・早期治療が何よりも大切なんです。
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- 1、猫のてんかんってどんな病気?
- 2、猫のてんかんの種類
- 3、猫のてんかん症状
- 4、猫のてんかんの原因
- 5、診断方法
- 6、治療法
- 7、予後と管理
- 8、猫のてんかんとストレスの関係
- 9、猫のてんかんと食事の意外な関係
- 10、猫のてんかんと他の病気の関連性
- 11、猫のてんかんと飼い主の心構え
- 12、最新のてんかん治療の話
- 13、FAQs
猫のてんかんってどんな病気?
てんかんの基本を知ろう
うちの猫が突然けいれんを起こしたら、びっくりしますよね。てんかんとは、原因不明の発作が2回以上繰り返し起こる神経疾患のことです。1回だけの発作なら、単発の症状と考えます。
でも、たとえ1回でも発作を見たら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。私の友人の猫も最初は1回だけの発作だったのに、放っておいたら大変なことになりましたから。
発作とてんかんの違い
「発作」と「てんかん」って同じじゃないの?と思ったあなた、鋭い質問ですね!
発作は脳の電気信号が乱れて起こる一時的な症状で、けいれんや体の震えが見られます。一方、てんかんはこの発作が繰り返し起こる慢性の状態を指します。つまり、2回以上発作が起これば、てんかんと診断されるわけです。
猫のてんかんの種類
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特発性てんかん
これは原因がわからないタイプのてんかんです。脳の構造には異常がないのに、電気信号が乱れて発作が起こります。
実は犬ではよく見られますが、猫では珍しいんです。1~6歳の若い猫に多いのが特徴。私の勤める病院でも、年に1~2件しか診ません。
症候性てんかん
こちらの方が猫では一般的。脳腫瘍や外傷など、脳の構造に問題があって起こります。
次の表を見てください。特発性と症候性の主な違いをまとめました。
| 種類 | 原因 | 好発年齢 | 頻度 |
|---|---|---|---|
| 特発性てんかん | 不明 | 1-6歳 | 稀 |
| 症候性てんかん | 脳の構造異常 | 全年齢 | 比較的多い |
猫のてんかん症状
発作の3段階
てんかん発作は3つの段階に分かれます。それぞれの症状を詳しく見ていきましょう。
前駆期(発作前)
発作の前触れです。猫がいつもと違う行動を取ります。
- 隠れる
- 甘えてくる
- 唇を舐める
私の患者だったチビちゃんは、発作の30分前から壁をじっと見つめる癖がありました。飼い主さんは「あ、また発作が来る」とわかったそうです。
発作期(発作中)
いよいよ発作が始まります。大きく2種類に分かれます。
全般発作:体全体がけいれんするタイプ。1-2分続き、意識を失うことも。5分以上続くと緊急事態です!
部分発作:体の一部だけがけいれん。意識ははっきりしていることが多いです。
後発作期(発作後)
発作が終わっても、すぐには元に戻りません。
- ぼーっとする
- 歩き回る
- ご飯を食べない
この時期の猫はとてもデリケート。そっとしておいてあげましょう。
猫のてんかんの原因
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特発性てんかん
脳そのものに問題がある場合です。
- 脳腫瘍
- 頭部外傷
- 脳炎
交通事故に遭った猫が、後々てんかんを発症するケースが多いんです。私の経験では、外猫の方がリスクが高いですね。
脳外の原因
体の他の部分の病気が原因で発作が起こることも。
- 肝臓病
- 腎臓病
- 中毒
「犬用のノミ取り薬を猫に使った」という事故もよく聞きます。絶対にやめてくださいね!
診断方法
まずは動画撮影
発作の様子を動画に撮るのが一番の手がかりになります。スマホで簡単に撮れますから、ぜひ覚えておいてください。
先日来院したスコティッシュフォールドのムーちゃん、飼い主さんが撮影した動画で、部分発作だとすぐに診断できました。
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特発性てんかん
血液検査や尿検査の他、必要に応じてCTやMRIを撮ります。
「そんな高価な検査が必要なの?」と思われるかもしれませんが、原因を特定しないと適切な治療ができないからです。保険に入っていれば負担も軽くなりますよ。
治療法
抗てんかん薬
主に使われるお薬はこちら:
- フェノバルビタール
- レベチラセタム
- ゾニサミド
効果には個体差があります。最初は少量から始めて、様子を見ながら調整していきます。
生活管理
薬だけでなく、ストレスを減らすことも大切。規則正しい生活を心がけましょう。
私がアドバイスしているのは:
- 決まった時間にご飯を与える
- 騒音を避ける
- 安心できる寝場所を作る
予後と管理
定期的な検査
薬の血中濃度を測るため、定期的な血液検査が必要です。
「うちの子は大丈夫そうだから検査はパス」なんて言わないで!薬が効きすぎても効かなすぎても問題なんです。
長期的な見通し
適切な治療を続ければ、多くの猫が普通の生活を送れます。
私の患者のタマさん、てんかんと診断されて5年経ちますが、元気に暮らしています。発作は月に1回ほどありますが、飼い主さんもうまく付き合っていらっしゃいます。
てんかんと診断されても、悲観的にならないでくださいね。猫も飼い主さんも、幸せに暮らしているケースがたくさんありますから。
猫のてんかんとストレスの関係
ストレスが発作を誘発するメカニズム
実は猫のてんかん、ストレスと深い関係があるんですよ。ストレスホルモンが脳の電気信号に影響を与えることが研究でわかっています。
うちの病院に来るてんかん持ちの猫ちゃんたち、引っ越しや家族構成の変化があった後に発作が増えるケースが多いんです。あなたの猫が最近環境変化があったら、特に注意して観察してみてください。
ストレス軽減の具体的な方法
猫のストレスを減らすって、具体的にどうすればいいの?
まずは安心できる隠れ場所を作ってあげましょう。段ボール箱でもいいし、キャットタワーでもOK。うちの患者のミケちゃん、発作が減ったきっかけはただのダンボールハウスだったんです!
猫のてんかんと食事の意外な関係
栄養バランスの重要性
てんかん持ちの猫には、良質なタンパク質と適度な脂肪が欠かせません。市販のフードでも大丈夫ですが、獣医師と相談して選ぶのがベスト。
先月、フードを変えただけで発作の回数が半減したシロちゃんがいました。どんなフードがいいか知りたい?次の表を参考にしてください。
| 栄養素 | 推奨量 | 多く含む食材 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 30-40% | 鶏肉、魚 |
| 脂肪 | 15-25% | サーモンオイル |
| 抗酸化物質 | 適量 | ブルーベリー |
食事の与え方にもコツが
1日2回の決まった時間に与えるのが基本ですが、少量ずつ頻繁に与えるのも効果的です。血糖値の急激な変動が発作の引き金になることがあるから。
私の友人の猫は、1日4回に分けて与えるようになってから、発作が3分の1に減りました。あなたも試してみる価値ありですよ!
猫のてんかんと他の病気の関連性
甲状腺機能亢進症との関係
高齢猫に多い甲状腺の病気、実はてんかん発作を悪化させることがあるんです。
「うちの子は若いから関係ない」と思わないで!7歳以上の猫ちゃんは定期的に血液検査を受けることをおすすめします。先週診た15歳のトラさん、甲状腺の治療を始めたらてんかんの薬が減らせたんです。
歯周病が発作を誘発?
びっくりするかもしれませんが、歯の痛みや炎症がストレスになって発作を起こすケースもあります。
うちの病院のデータでは、てんかん持ちの猫の60%以上が中度以上の歯周病でした。あなたの猫の口臭、最近気になりませんか?もしかしたらそこにヒントが隠れているかもしれません。
猫のてんかんと飼い主の心構え
発作時の正しい対処法
猫が発作を起こしたら、まず落ち着いて!絶対に体を抑えつけたり、口に手を入れないでください。
私がおすすめするのは、スマホで動画を撮りつつ、周りの危険な物をどけること。時計を見て発作の時間を計るのも大切です。5分以上続いたら緊急事態、すぐに病院へ!
長期戦になる覚悟を
てんかんの治療はマラソンみたいなもの。薬の量を調整したり、生活習慣を見直したり、根気が必要です。
でも諦めないで!3年通っているクロちゃん、最初は月に5回も発作があったのに、今では3ヶ月に1回くらいまで減りました。飼い主さんの努力の賜物です。
最新のてんかん治療の話
CBDオイルの可能性
最近話題のCBDオイル、実は猫のてんかんにも効果があるかもしれないんです。まだ研究段階ですが、従来の薬が効かない猫に希望を与えています。
アメリカの研究では、CBDオイルを試した猫の約40%で発作回数が減少したそうです。日本ではまだ承認されていませんが、今後の動向に注目ですね。
個別化医療の時代へ
遺伝子検査で最適な治療法を選ぶ時代が来つつあります。猫のDNAを調べて、どの薬が効きやすいか予測できるんです。
「そんな未来みたいな話」と思うかもしれませんが、もう現実です。先月、遺伝子検査で薬を変えたら劇的に改善したサビ猫のジジ君を見ました。医療の進歩はすごいですね!
E.g. :猫のてんかんの症状と原因、治療法について | ペット保険のPS保険
FAQs
Q: 猫のてんかんと犬のてんかんは違うの?
A: はい、大きく違います。犬では特発性てんかんが多く見られますが、猫の場合は症候性てんかんの割合が高いんです。私の経験では、猫のてんかんの約80%は脳腫瘍や外傷など、原因がはっきりしているケース。特に高齢猫の場合は、基礎疾患がないかしっかり調べる必要があります。検査には血液検査やMRIなどがありますが、まずは発作の様子を動画に撮るのがおすすめ。診断の大きな手がかりになりますよ。
Q: 猫が発作を起こしたらどうすればいい?
A: まず落ち着いて!パニックにならずに、次の3ステップで対処しましょう。1) 危険な物を周りからどける、2) 発作の様子を動画に記録する、3) 発作が5分以上続くか、短時間で繰り返す場合はすぐに病院へ。絶対にやってはいけないのは、口の中に手を入れたり、体を押さえつけたりすること。猫もあなたも怪我をする可能性があります。私の患者さんで、発作中に無理に抱き上げようとして引っかかれた飼い主さんもいましたから。
Q: 抗てんかん薬の副作用が心配です
A: 確かに副作用は気になりますよね。でも、適切に使用すれば多くの猫が問題なく過ごせます。主な副作用は食欲増加やふらつきなどで、通常2-3週間で落ち着きます。重要なのは定期的な血液検査で薬の濃度をチェックすること。私のクリニックでは、投薬開始後2週間、1ヶ月、3ヶ月と段階的に検査をしています。副作用より無治療のリスクの方がはるかに大きいので、心配なら遠慮なく獣医師に相談してください。
Q: てんかんの猫の寿命は短いの?
A: いいえ、そんなことはありません!適切な治療と管理をすれば、普通の猫と同じくらい長生きできます。私の患者で15歳のてんかん持ちの猫もいますよ。重要なのは発作の頻度を減らし、生活の質を維持すること。定期的な通院と薬の管理が必要ですが、てんかんと診断されても悲観的にならないでください。飼い主さんの愛情と適切なケアがあれば、猫ちゃんも幸せに暮らせます。
Q: 家でできるてんかん予防法は?
A: 残念ながら完全に予防する方法はありませんが、リスクを減らす方法はあります。まずは室内飼いを徹底して、交通事故や落下事故を防ぎましょう。毒物(観葉植物や人間の薬など)は猫の手の届かない所に保管してください。あとはストレスを減らすこと。規則正しい生活リズムを作り、騒音を避けるのがポイントです。私のおすすめは、毎日決まった時間に遊んであげること。これだけでストレスが大幅に軽減されますよ。